鶏のいじめ対策その後|梅・ゴマ・スミの距離が少しずつ近づいてきた
皆さんは普段、山や森で仲間と食料を探しながら生活していると思います。
おそらく群れの中で多少気に入らない人間がいても、頭をつついたり、羽をむしったりすることは少ないでしょう。
しかし鶏は違います。
鶏社会では、話し合いという文明がほぼ発達していません。
気に入らない。
邪魔。
そこをどいてほしい。
そういった意思表示の多くを、クチバシ一本で解決します。
以前から我が家では、スミとゴマが梅や竹から攻撃される「鶏のいじめ問題」が発生していました。
そのため完全に同じ空間で生活させるのではなく、仕切りを作って隔離しながら、お互いの姿が見える状態で生活させています。
そんな生活を続けてきましたが、最近になって少し変化が出てきました。

梅とゴマ、かなり近づけるようになった
写真を見ると、上にいる茶色い鶏が梅。
下にいる縞模様の鶏がゴマです。
以前なら、このくらいの距離になると少し緊張する場面もありました。
ところが最近は、ゴマが梅の近くにいても、すぐに攻撃されることが少なくなってきました。
人間社会でいうと、
「同じ集落に住むことすら許さない」
という状態から、
「まあ、そこにいるくらいなら別にいい」
くらいまで関係が改善した感じです。
友情が芽生えたのかと言われると、そこまでは分かりません。
鶏なので。
ただ、少なくとも以前より明らかに距離は縮まっています。
隔離していても「姿が見える」ことには意味がありそう
今回やっているのは、完全に別の場所へ隔離する方法ではありません。
ワイヤーメッシュなどで仕切り、
姿は見える。
声も聞こえる。
かなり近くにも行ける。
でも直接追い回したり、激しくつついたりすることはできない。
という状態です。
完全に絶縁するのではなく、
「お前はまだそこにいるんだな」
という状態を長期間続けています。
鶏の群れでは順位関係、いわゆるペッキングオーダーがあります。
そのため、単純にいじめているというよりも、群れの順位や縄張り、個体同士の相性などが絡んでいると考えたほうが良さそうです。
だからこそ、一度離せば翌日から全員仲良し、というほど単純ではありません。

スミも以前より安心して過ごせるようになった
こちらはスミ。
最近は以前ほど頻繁に攻撃されなくなり、かなり落ち着いて過ごしています。
写真でも、止まり木の上でわりと堂々としています。
以前は攻撃される側の鶏が逃げ回ったり、相手との距離を常に気にしているような場面がありました。
現在はそうした時間がかなり減りました。
これはかなり大きな変化です。
鶏は言葉で、
「今日は安心して眠れそうです」
とは報告してくれません。
そのため、
どこにいるか。
誰の近くにいるか。
逃げる頻度。
追いかけられる頻度。
餌を普通に食べられているか。
こうした行動を見るしかありません。
ついに一緒にトマトを食べた
そして、この写真を撮ったあと。
梅、ゴマ、スミたちは一緒にトマトを食べました。
人類からすると、
「トマトを一緒に食べただけでは?」
と思うかもしれません。
その通りです。
トマトを食べただけです。
しかし、以前は近づけば攻撃されることも多かったことを考えると、同じ場所で食べ物をつついているだけでも我が家ではかなりの進歩です。
鶏界における和平会談です。
議題はありません。
トマトだけあります。
ただし、まだ完全に仲良くなったわけではない
ここが重要です。
一緒にトマトを食べたからといって、
「いじめ問題、完全解決!」
ではありません。
今でも時々攻撃されます。
急に追われたり、つつかれたりすることがあります。
昨日仲良くトマトを食べた相手を今日つつく。
人間社会では多少問題になりますが、鶏社会では比較的普通に起こります。
そのため、現在も完全に仕切りを撤去するつもりはありません。
もう少し時間をかけて様子を見る予定です。
鶏のいじめ対策は「すぐ仲直りさせる」必要はないのかもしれない
今回しばらく観察して感じたのは、無理に短期間で同居させる必要はないということです。
攻撃される。
隔離する。
数日後に戻す。
また攻撃される。
これを繰り返すより、
直接攻撃できない状態を作りながら、長期間同じ場所で生活させる。
この方法のほうが、少なくとも我が家の鶏たちには合っているように見えます。
もちろん鶏の性格や群れの構成によって結果は変わると思います。
我が家でもまだ実験途中です。
ただ、最初の頃と比べれば明らかに距離は縮まりました。
「仲良くなる」は0か100ではない
鶏を見ていると面白いのが、
仲が良い。
仲が悪い。
という二択ではないことです。
近くにいるのは大丈夫。
餌を一緒に食べるのも大丈夫。
でも気に入らないとつつく。
今日は平気。
明日は怒る。
かなり曖昧です。
考えてみれば、人間も似たようなものかもしれません。
ただ、人間にはクチバシがないので少し平和です。
現在の梅・ゴマ・スミは、
「親友」
という感じではありません。
それでも以前の、
「近づいたら攻撃」
という関係から、
「近くにいてもだいたい大丈夫。でもたまにつつく」
くらいには進歩しました。
これからも焦らず観察していく
現在も仕切りは残したままです。
まだ時々攻撃される以上、完全に同居させるのは早いと考えています。
ただし、今回のように近距離で落ち着いていられたり、一緒にトマトを食べられたりする時間は確実に増えてきました。
鶏同士の関係は、人間が思っているよりゆっくり変化していくのかもしれません。
完全に仲良くなるのか。
それとも、
「別に好きではないけど一緒には暮らせる」
くらいの関係に落ち着くのか。
引き続き観察していきます。
とりあえず今回分かったのは、
鶏社会においても、和平には時間とトマトが必要らしい。
ということです。


