鶏のトサカに黒いかさぶた|イジメと思ったら蚊が媒介する「鶏痘」の可能性

鶏の飼育

以前、鶏のイジメについて記事を書きました。

我が家では墨と胡麻が他の鶏からイジメられることがあり、鶏冠にも黒い瘡蓋のような傷ができていました。

そのため最初は、

「また鶏冠をつつかれたんだろう」

くらいに考えていました。

鶏冠に黒い瘡蓋ができている様子

ところが、ここで少しおかしなことが起きました。

イジメられている側ではなく、梅の鶏冠にも似たような黒い瘡蓋ができ始めたのです。

イジメる側の梅にも同じような瘡蓋ができた

梅はどちらかというとイジメる側。

その梅にも黒い点のような瘡蓋が複数できています。

梅の鶏冠にできた黒い瘡蓋

もちろん鶏同士なので、小さな傷ができること自体は珍しくありません。

ただ、

「本当に全部イジメによる傷なのか?」

と疑問に思い、鶏の鶏冠にできる黒い瘡蓋について調べてみました。

そこで出てきたのが、

「鶏痘(けいとう)」

という病気です。

鶏痘とは?

鶏痘は「鶏痘ウイルス(Fowlpox virus)」によって起こる鶏の感染症です。

特に今回気になったのが「乾性鶏痘」と呼ばれる皮膚型。

鶏冠、肉垂、目の周囲、くちばし周辺など、羽毛に覆われていない部分に病変ができるのが特徴です。

病変は最初から真っ黒になるわけではなく、

盛り上がった小さな病変

黄色っぽい病変

厚く黒っぽい瘡蓋

というように変化することがあります。

実際、今回の鶏冠を見ると、小さな黒い瘡蓋が点々とできています。

見た目だけで鶏痘と断定することはできません。

鶏同士のつつき傷や外傷でも似た状態になる可能性があります。

ただ、複数の鶏に似たような病変が出ていることを考えると、鶏痘も候補として考えておいた方がよさそうです。

そして気になったのが「蚊」

鶏痘について調べていて驚いたのが、蚊との関係です。

鶏痘ウイルスは傷口などから直接感染することがありますが、蚊などの吸血昆虫もウイルスを運ぶ媒介者になります。

つまり、

感染した鶏

蚊が吸血

別の鶏を吸血

ウイルスが皮膚から侵入

という感染経路が成立します。

正確には「蚊の中で増殖して蚊が病気になる」というより、蚊が機械的にウイルスを運ぶイメージです。

我が家の鶏舎は屋外とつながっているので、夏場は普通に蚊が入ってきます。

今までは、

「鶏も蚊に刺されるんだな」

くらいにしか考えていませんでした。

しかし鶏痘まで媒介する可能性があるとなると、話が変わってきます。

鶏舎に電池式の蚊取りを設置してみた

そこで今回、鶏舎にも蚊対策を導入しました。

使ったのは、

「どこでもつかえるアースノーマット コールマン 180日用」

です。

電池式アースノーマット本体

これを選んだ理由はシンプルです。

・電池式
・コンセントがいらない
・火を使わない
・熱源を置く必要がない
・蚊成虫の駆除・忌避用
・長期間使用できる

鶏舎の場合、100Vの配線をわざわざ引いたり、蚊取り線香のように火を使ったりするのは少し面倒です。

その点、電池式なら置くだけ。

今回の製品にはトランスフルトリンというピレスロイド系の成分が使われています。

鶏舎内の餌タンクの上に設置

鶏が直接触ったり、つついたりしない位置に設置しています。

メーカーではペットのいる家庭でも使用できる製品とされていますが、これは「鶏専用の製品」という意味ではありません。

そのため説明書どおりに使用し、薬剤部分を鶏に直接触れさせないこと、換気を確保することには注意しています。

また、我が家のような半屋外に近い鶏舎では風が通るため、室内と同じ効果が得られるとは限りません。

これ1台ですべての蚊を防げるとは考えず、あくまで対策の一つとして使ってみます。

本当に重要なのは蚊を発生させないこと

電池式の蚊取りを設置しましたが、そもそも蚊を大量に発生させないことも重要です。

鶏を飼っていると、

・給水器
・バケツ
・容器
・雨水
・ブルーシート
・コンテナのくぼみ

など、水が溜まりやすい場所がかなりあります。

蚊の幼虫であるボウフラは水の中で育つため、長期間水が残る場所を減らすだけでも発生源対策になります。

特に鶏舎周辺は定期的にチェックして、

「水が溜まりっぱなしになっている場所がないか?」

を見るようにしていこうと思います。

鶏痘だった場合、特効薬はない

鶏痘には、ウイルスそのものを治す特効薬は基本的にありません。

乾性鶏痘の場合は比較的軽く済むことも多く、自然に回復していくケースがあります。

ただし注意したいのが、口や喉、気道などに病変ができる「湿性鶏痘」です。

こちらは餌を食べられなくなったり、呼吸が苦しくなったりする可能性があります。

そのため現在は、

・食欲が落ちていないか
・元気があるか
・呼吸がおかしくないか
・口の中に黄色や白っぽい病変がないか
・目の周囲が腫れていないか
・新しい瘡蓋が増えていないか

を確認しています。

鶏冠の瘡蓋についても、無理に剥がすつもりはありません。

もし鶏痘だった場合、剥がれた瘡蓋にもウイルスが残る可能性があるため、自然に治る過程を観察します。

「イジメ傷」と決めつけなくてよかった

今回一番勉強になったのはここです。

最初に墨と胡麻の鶏冠に瘡蓋ができたときは、完全にイジメによる傷だと思っていました。

実際にイジメられていたので、そう考えるのは自然でした。

ところが、梅にも似た病変が出た。

そこで初めて、

「これ、別の原因もあるんじゃないか?」

と考えることができました。

もちろん現時点では鶏痘と確定したわけではありません。

しかし、

鶏冠など羽毛のない部分に黒い瘡蓋ができる
複数羽に似た病変が出る
夏場で蚊が多い

という状況から、鶏痘の可能性も考えて蚊対策を始めることにしました。

今後も経過を記録します

これから確認したいのは、

・現在の瘡蓋が自然に治っていくのか
・新しい病変が増えるのか
・他の鶏にも広がるのか
・蚊対策後に新しい瘡蓋が減るのか

このあたりです。

鶏を飼っていると、イジメ、怪我、感染症など見た目だけでは原因を判断しにくいことが結構あります。

今回も「ただの傷」と思っていたものから、思わぬところで蚊対策につながりました。

今後も鶏冠の状態を写真で記録して、変化があれば続編として紹介したいと思います。

※この記事は我が家の鶏の飼育記録です。写真だけで鶏痘と診断することはできません。症状が急激に悪化した場合、呼吸困難、食欲低下、口や喉の病変などがある場合は獣医師への相談をおすすめします。

参考資料
・Merck Veterinary Manual「Fowlpox in Chickens and Turkeys」
・Merck Veterinary Manual「Common Infectious Diseases in Backyard Poultry」
・アース製薬「どこでもつかえるアースノーマット コールマン 180日用」

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