室内飼いの鶏に止まり木を用意しなかった結果|ダンゴとミタラシのバランス感覚がない?

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我が家には、ロードアイランドレッドの「ダンゴ」と「ミタラシ」がいます。

オスがダンゴ。

メスがミタラシです。

現在、この2羽は室内で飼育しています。

人にもかなり慣れてきて、抱っこしたり、膝の上に乗せたりすることもあります。

ところが最近、ちょっと気になることに気付きました。

この2羽……

ものすごくバランスを取るのが下手なんです。

膝の上に乗せてもグラグラ。

肩の上に乗せても安定せず、普通に落ちます。

「鶏ってこんなにバランス悪かったっけ?」

と考えていて、ひとつ大きな心当たりがありました。

ダンゴとミタラシの飼育スペースには、これまで止まり木を用意していなかったんです。

今にも落ちそうなダンゴ

ロードアイランドレッドのオス「ダンゴ」。
鶏冠もかなり大きくなってきました。

ミタラシ

こちらはメスの「ミタラシ」。
同じロードアイランドレッドでも、ダンゴとは顔つきや鶏冠の成長にも違いがあります。

ダンゴとミタラシは室内飼い

現在、ダンゴとミタラシは室内のケージで暮らしています。

床には籾殻を敷いています。

籾殻の上で歩いたり、餌をつついたりしながら生活しています。

コストコのラックで作った室内鶏舎

現在使っているダンゴとミタラシの飼育スペース。
床材には籾殻を使用しています。

写真を見てもらうと分かりますが、床面積はある程度確保しているものの、止まり木はありません。

これまで、

「室内だし、床を歩き回れるスペースがあれば大丈夫だろう」

くらいに考えていました。

ところが、2羽を膝や肩に乗せるようになってから少し考えが変わりました。

膝の上に乗せると落ちる

普段、籾殻の上を歩いているときには、それほど違和感はありません。

普通に歩くし、動き回ります。

ところが、膝の上のような少し不安定な場所に乗せると急に怪しくなります。

グラグラ……。

足を動かして何とか姿勢を維持しようとするのですが、安定しません。

さらに肩の上に乗せてみると、もっと分かりやすい。

人間の肩ですから完全な水平ではありません。

少しこちらが動いただけでもバランスを崩します。

そして、そのまま落ちます。

鶏なら足でガシッと掴んで器用にバランスを取るイメージがあったので、最初はかなり意外でした。

1羽だけではなくダンゴもミタラシも苦手

面白いのが、どちらか1羽だけではないこと。

ダンゴもミタラシも同じように不安定です。

もし片方だけなら、

「この子がちょっと不器用なのかな?」

で終わっていたと思います。

しかし、同じような環境で育てている2羽ともバランスを取るのが苦手。

そこで思い当たったのが、

「止まり木を使った経験がほとんどないからじゃないか?」

ということでした。

鶏は最初から止まり木の達人ではないらしい

調べてみると、これがなかなか面白い話でした。

鶏には高い場所に止まる行動がありますが、立体的な場所を移動したり、止まり木に安定して止まったりする能力は、完全に生まれつきだけで決まるものではないようです。

2000年にApplied Animal Behaviour Scienceに掲載された研究では、育成初期に止まり木へアクセスできなかった鶏では、後の立体的な空間を利用する能力が低下することが報告されています。

止まり木を使わずに育った鶏では、

・運動技能
・バランスを取る能力
・立体的な空間を移動する能力

などが十分に発達しない可能性が考えられています。

つまり、

「鶏なんだから棒くらい普通に止まれるだろう」

と思っていましたが、実際には子どもの頃からの経験も関係している可能性があります。

平らな床だけでは経験できない動きがある

考えてみれば当然なのかもしれません。

ダンゴとミタラシは普段、籾殻を敷いた平らな床の上で生活しています。

もちろん籾殻なので多少は足場が動きます。

しかし、細い止まり木の上とは全く違います。

止まり木なら、

飛び乗る。

足で掴む。

左右の脚で体重を調節する。

体が傾いたら姿勢を戻す。

降りる。

といった動作が必要になります。

床を歩くだけでは経験しにくい動きです。

人間でも、平らな地面を歩いているだけでは平均台が上手にならないのと少し似ているのかもしれません。

止まり木は筋肉や骨にも関係する

さらに、止まり木は単純な「バランス練習用の棒」でもないようです。

近年の研究では、止まり木を利用できる環境で飼育された若鶏で活動量が増え、脚などの筋肉や骨強度にも良い影響が確認されています。

2024年に発表された研究では、止まり木を利用できる環境で育てた若鶏は、止まり木のない環境と比較して、脚などの筋肉が大きく、脛骨の強度などにも違いがみられました。

別の2024年の研究でも、継続的に止まり木を利用できる鶏は、止まり木を利用できない鶏と比較して、活動性や筋骨格系の状態に良い結果が確認されています。

鶏にとって止まり木は、

「寝るための棒」

というだけではなく、日常的な運動設備としての意味もありそうです。

ダンゴとミタラシのバランスの悪さは止まり木が原因?

では、今回のダンゴとミタラシのバランスが悪い原因は、止まり木を設置していなかったからなのか。

これは現時点では断定できません。

我が家の2羽だけを見て原因を決めることはできませんし、個体差もあります。

また、人間の膝や肩は本来の止まり木とは形状も太さも違います。

そのため、

「肩から落ちる=止まり木不足」

とは言えません。

ただし、

・2羽とも止まり木をほとんど経験していない
・普段は平らな籾殻の上で生活している
・2羽とも不安定な場所でバランスを取るのが苦手
・止まり木経験と立体的な空間利用能力との関係を示した研究がある

ことを考えると、止まり木を使った経験の少なさが関係している可能性はありそうです。

室内飼いでも止まり木はあった方が良さそう

今回、ちょっと反省したところでもあります。

室内で飼育していると、どうしても

「ケージの床面積をどのくらい確保するか」

ということばかり考えてしまいます。

しかし鶏の生活空間は平面だけではありません。

止まり木を取り付ければ、床面積をほとんど減らさずに上下方向の空間を利用できます。

しかも止まり木への上り下り自体が運動になります。

我が家のように室内で鶏を飼う場合ほど、限られたスペースを立体的に使う意味は大きいのかもしれません。

ということで止まり木を作ってみます

原因が本当に止まり木なのか。

これは実際に試してみるのが一番です。

ダンゴとミタラシのケージにも止まり木を追加してみようと思います。

ただ棒を取り付けるだけでもいいのですが、せっかく自分で作るので、

・太さ
・形
・高さ
・材質
・掃除のしやすさ
・取り外しやすさ

なども考えて作ってみます。

そして、止まり木を設置したあとにダンゴとミタラシがどう変わるのか観察します。

バランス感覚が本当に良くなるのか実験してみる

今回の記事を書いた理由は、現在の状態を記録しておきたかったからでもあります。

止まり木を設置する前の現在は、

「膝や肩に乗せると普通に落ちる」

というレベル。

ここから止まり木を使わせます。

1週間。

1か月。

さらにその先。

継続して観察してみれば、止まり木を使うのが上手になるのか。

膝や肩の上でも安定して立てるようになるのか。

実際に比較できます。

もし数か月後、肩の上で普通にくつろいでいたらかなり面白い結果です。

鶏を飼って初めて分かることはまだまだ多い

鶏を飼い始める前は、

餌と水があって、寝る場所があれば大丈夫。

くらいに考えていた部分もありました。

しかし実際に飼育して観察していると、かなり奥が深いです。

餌。

水。

床材。

鶏同士の相性。

暑さ。

蚊。

運動量。

そして今回の止まり木。

鶏自身を毎日見ていると、

「これって普通なのか?」

という疑問が次々に出てきます。

今回も、ダンゴとミタラシを膝に乗せなければ、止まり木がないことについて深く考えることはなかったと思います。

まとめ|止まり木なしで育った2羽はバランスを取るのが苦手

我が家で室内飼いしているロードアイランドレッドのダンゴとミタラシ。

床には籾殻を敷き、そこで生活していますが、これまでケージ内に止まり木を用意していませんでした。

そして最近気付いたのが、2羽ともバランスを取るのがかなり苦手だということ。

膝の上でもグラグラ。

肩の上ではバランスを崩して落ちてしまいます。

もちろん、止まり木を設置しなかったことが直接の原因だとはまだ断定できません。

しかし研究を調べてみると、若い時期の止まり木経験が鶏の立体的な空間利用能力や運動機能に関係することや、止まり木の利用が筋肉や骨の発達に関係することが分かっています。

だったら、実際に試してみます。

次はダンゴとミタラシの室内ケージに止まり木を設置。

そして本当にバランス感覚が良くなるのか、今後も観察していきます。

果たしてダンゴとミタラシは、肩から落ちない鶏になれるのでしょうか。

続きはまた報告します。

【参考文献】

Gunnarsson S, Yngvesson J, Keeling LJ, Forkman B.
Rearing without early access to perches impairs the spatial skills of laying hens.
Applied Animal Behaviour Science. 2000;67(3):217-228.
DOI: 10.1016/S0168-1591(99)00125-2

Anderson MG, Johnson AM, Harrison C, Jones J, Ali A.
Influence of perch provision during rearing on activity and musculoskeletal health of pullets.
PLOS ONE. 2024;19(7):e0307114.
DOI: 10.1371/journal.pone.0307114

Anderson MG, Johnson AM, Harrison C, Arguelles-Ramos M, Ali A.
Impact of Perch Provision Timing on Activity and Musculoskeletal Health of Laying Hens.
Animals. 2024;14(2):265.
DOI: 10.3390/ani14020265

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